14日から15日にかけての記録的大雪で、東日本各地で被害が出る中、「大雪だからといって会社説明会に来ない就活生は採用しない」という投稿がツイッターに寄せられ物議を醸している。都内有名女子大の准教授が14日、以下のツイートを投稿した。

「就活生のみなさん:基本的に社会人はどんなに雪が降って交通機関が混乱していてもビジネス上の約束があれば、それを守ります。今日、企業説明会などの約束 があり、企業から中止の連絡がないならきちんと行きましょう。『天候が悪いと休むやつ』と思われたら採用は難しいでしょう。私なら採用しません」
「どんなに雪が降って」も行くべきなのか

説明会に行かなくてはいけない理由について、准教授は3つの要素を挙げる。1つめは、志望企業に対して「御社の為に働きます」という姿勢を見せる必要があること。2つめは、この雪の中、会場準備をしてくれた社員に感謝すべきということ。

3つめとして、この大雪の中でも「欠席する就活生は少ない」と指摘した。

しかし今回の雪は、過去100年で最大の大雪とも言われる。積雪で道路が塞がり孤立状態になる地域も出て、落雪などによって死亡した人は16日までに15人にもなるという。

雪が降り始めた14日には、社員に対して「交通機関が止まる」「事故に巻き込まれる」ことをおそれて、早めの帰宅を命じた会社も多かった。大雪のリスクを考えて行動する呼びかけが飛び交う中、准教授が「どんなに雪が降って交通機関が混乱していても」と書いたことに対し、ツイッターで批判が集まった。

「交通機関すら各地で寸断されている状況を正しく認識出来ていないとしか思えない発言」
「今回の大雪と例年の雪を同一に語るべきではありません。既に怪我人が出ていますし公共機関も止まっています」

このような日に説明会を予定通り開催し、社員を出動させるような会社は、そもそも「ブラック企業」なので就職しない方がいい、とする声もあった。

「ネット就活」で気軽に無断欠席する学生が増加

もっとも、准教授は「一般的な社会人」なら、企業の人事部に電話して「今日の説明会は予定通り開催ですか」と聞く、とも書いている。本当に言いたかったのは、学生という立場に甘えて「無断欠席」することは、社会人のマナーに反するということだったのかもしれない。

ネットには、会社に連絡するかどうかは「その会社にどのくらい入りたいかとトレードオフ」と指摘する声もあった。要するに、本当に入りたい会社であれば、這ってでも参加して熱意をアピールするが、そうでもない会社ならそこまではしない、という意味だ。

最近は、説明会を無断欠席する学生は少なくないようだ。就職情報サイトを使って「希望企業でなくても気軽に大量エントリーする」というスタイルが定着しており、学生は大雪でなくても、ちょっと気が向かないだけで無断欠席する。

彼らにしてみれば「こんな就活を強要する社会が悪い」とでも思っているのかもしれず、あまり罪悪感はないのではないか。気象庁は19~20日にも雪が降ると予想しており、説明会を予定している会社には早めの対応をオススメしたい。

あわせて読みたい:労基署は「働く人の味方」ではなかった