12月15日、『黒子のバスケ』脅迫事件の容疑者として、大阪に住む渡辺博史(36)が逮捕された。漫画家を目指して専門学校に通ったもののドロップアウトして中退した渡辺容疑者は、警察の調べに対して「成功者に対するやっかみがあった」と証言している。 

 逮捕時に渡辺容疑者は「ごめんなさい。負けました」と発言した。ゲーム感覚で同作品の作者、出版社、関連企業への威力業務妨害を繰り返していたかのような態度に憤った人も多いときく。

 問題が一段落したことにより、『黒子のバスケ』を取り巻く人々に笑顔が戻ってきた。特に12月29日から開催されるコミックマーケット85(以下冬コミ)には、1462もの『黒子のバスケ』同人作品を領布するサークル・作家が参加する。多くのサブカルコンテンツが集まる冬コミの中でも『黒子のバスケ』の同人サークルは一大勢力となっており、今回の事件の話を扱った同人誌も新たに作られるのではないだろうか。

 ところが一難去ってまた一難というべきか。今度は『艦隊これくしょん』の同人作家界隈で脅迫事件が起きたという。

艦隊これくしょん』とはパソコンのブラウザ上で遊べる旧日本軍の艦船を萌えキャラクターで擬人化したゲーム。多くのキャラクターが登場したこと、華やかなビジュアルとシンプルなゲーム性に加えて、史実を知る人にだけわかる仕掛けが多数盛り込まれており、大人も熱中できるゲームとして注目されている。また角川グループをあげてアニメ化・コミック化・キャラクターグッズ化が考えられており、実際のゲームプレーヤー以外にも多くの潜在ファンがいると見られている。 

 この『艦隊これくしょん』の同人作品を扱うサークル数は1136。一位の『東方』カテゴリが2272サークル、前述した『黒子のバスケ1462サークルに続き、三位のシェアを獲得するにまで至った。

『東方』の同人作品をリリースしていた人が『艦隊これくしょん』の同人誌を出すと、ファンの目には裏切りものと映るのだろうか。誰が『東方』から『艦隊これくしょん』に寝返ったのかを調べている「東方警察」なるグループもあるとTwitter上でウワサされ、ドロドロした人間模様が生まれつつある。 

 さらに、その対立構造を楽しむ第三者も存在するようだ。

 とある『東方』の同人作家の元に、冬コミに参加したら本人や周囲の人物に危害を加えるといった脅迫文が届いた。嫌がらせ、もしくはただの愉快犯にすぎないとは思われるが、彼らは冬コミへの参加を棄権するに至る。

 そのサークル関係者のツイートを元に、"東方警察が同人作家を脅迫した"といったtogetterまとめが公開される。現在は削除されており見ることができないが、まさに対立構造を煽るような印象操作がされていたそうだ。

黒子のバスケ』脅迫事件という前例と、続いてしまった『東方』脅迫事件。規模の多寡に関わらず、今後もコミックマーケットを中心としたアニメ・マンガ・同人誌業界内で脅迫騒動が起きる可能性はあるだろう。愉快犯模倣犯を防ぐ方法はないのだろうか。

Written by 武者良太

Photo by 艦隊これくしょん -艦これ- 電撃コミックアンソロジー 佐世保鎮守府編 (1) 

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