浙江省の杭州駅で19日午前8時ごろ、待合室に置かれていた荷物が「バン」という音と共に爆発し、茶色や黄色のどろどろの物質が噴出した。異変に気づい警察官が、た駅構内の派出所から現場に駆けつけた。銭江晩報などが報じた。

  茶色や黄色の物質にはプラスチックの破片も混ざっており、周囲の乗客に降り注いだ。警察官が駆けつけたとき、乗客は驚いた上に何が起こったか分からず、黄色や茶色に染まった顔を見合わせていたという。

  爆発した荷物の持ち主は、洋菓子職人だったと分った。上海市内で行われるコンクールに参加するため、チョコレートクリーム、バター、クリームなどのケーキづくりの食材を大量に、大きな荷物にいれて運んでいた。

  食材を低温に保つため、ドライアイスをプラスチック製の密閉容器に入れ、食材を入れた荷物の内部に入れていた。ドライアイスが気化して密閉容器内部の圧力が高くなり、爆発したと見られている。

  ドライアイスは1気圧の状況下では摂氏氷点下78度で気化する。気化して二酸化炭素になると体積は800−1000倍になる。密閉容器に入れておくと容器内が高圧になって爆発する可能性がある。

  大量の食材が噴出して周囲の人の顔や頭、服を汚したが、けが人は出なかった。洋菓子職人は爆発が発生した時に席をはずしていたが、食材を浴びた人々が騒いでいたのを見てすぐに、「しまった。ドライアイスが爆発した」と気づいたという。

  警察は、荷物を爆発させた洋菓子職人に「2度とこのようなことを起こさないよう注意してほしい」と厳重に注意をして、特に処罰はしないことにした。

  中国では、ケーキを買うときに保存用についてきたドライアイスをペットボトルに入れて密封して爆発させたり、学校行事の演目で煙を発生させるために用意していたドライアイスが、容器が破損したためにステージ上に飛び散って、生徒が負傷する事故が発生している。(編集担当:如月隼人)