学校の始業時間は、ティーンエージャーには早すぎる。最近ではこの認識が脳科学の見地から認められるようになってきた。
脳科学者のラッセル・フォスター氏に言わせると十代の子供たちを朝早く学校へ送り込むのは「むごい」こと。この年代の子供たちの眠りのパターンに学校の授業時間を合わせるべきだと言う。
彼の言い分は、最近になり公でも認められ、アメリカやイギリスでは始業時間を遅らせる学校が出てきている。
■思春期では体内時計が2時間遅い
他の哺乳(ほにゅう)類と同じように人の眠りパターンも年を取ると共に変化する。思春期に入ると、眠りにつく時間と起床の時間が遅くなるのだ。これは女子では19.5歳まで、男子では21歳まで続く。この体内時計の遅れは約2時間だと言われている。
そのため、ティーンエージャーを朝7時に起こすことは、実際は5時に起きなさいと言っているようなものなのだ。これはホルモンの影響によるらしい。これは生徒の学習能力に影響が及ぶことを意味している。
さらに、現代の生活スタイル – テレビやゲーム、インターネット、携帯などが眠りの時間を奪っていることも悪影響を及ぼしている。眠りにつく時間が遅くなっているため、十分な睡眠時間が確保されていないのだ。
■睡眠不足がキレる若者をつくる
睡眠不足は、記憶力や学習能力、問題解決力などにネガティブに影響する。ストレスホルモンが増加するため、衝動的な行動、感情移入やユーモアの欠如、感情の浮き沈みなどが現れるのだ。
そこでよく見られるのは、イライラして、気分が変わりやすく、無感情で切れやすい眠そうな若者たちだ。
イギリスではロンドンの高校UCL Academyが始業時間を10時に変更した。他にも計画している学校があるという。アメリカではすでにいつくかの学校が遅い授業時間帯を導入しており、その効果について調査も行われている。ミネソタ大学の教育学者のレポートでは生徒たちの授業中の居眠りがまれとなり、やる気がないという生徒も減っているという。
※当記事は、ハイブリッド翻訳のワールドジャンパー(http://www.worldjumper.com)の協力により執筆されました。
参考:Biorhythmus Teenager-Uhren gehen anders
http://www.newscientist.de/inhalt/biorhythmus-teenager-muessen-laenger-schlafen-a-896336.html
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