uesugi.jpg ジャーナリストの上杉隆氏は2011年5月1日、東京・新宿のロフトプラスワンで開催されたイベント「自由すぎる報道座談会~報道災害なう!2~」に出演。上告棄却を受けた堀江貴文被告による記者会見の報道について、日本テレビ解説委員の粕谷賢之氏を名指ししながら、「日本テレビは『堀江氏の謝罪の言葉は一切なし、検察批判に終始』と報じているが堀江氏は謝っている。これはフェアじゃない」と批判した。

 上杉氏は、報道災害の事例の一つとして、4月26日の堀江氏の緊急会見に関するテレビ報道をあげた。その中で同氏は、

「堀江さんは『ライブドアの株主の方には申し訳ないことをしました』『それは申し訳なく思っています』と、2回謝っている。『自分の説明が足りなかった』という言葉を合わせると計4回言っているが、日本テレビは夕方から『謝罪の言葉は一切なし、検察批判に終始』といって、粕谷元政治部長はじめ、現場に来ない人がデタラメをいう。これはフェアじゃない」

 と日本テレビ解説主幹で、政治部長の経験もある粕谷氏の名前を出しつつ批判した。

 日本テレビは、夕方の報道番組「news every.」で堀江氏の会見直後に会見の内容やライブドア事件について報道。上杉氏の発言は、同局解説主幹・粕谷氏による「謝罪の言葉は一切なかった」という発言を指したものだと思われる。

 ところが、堀江被告は、会見の質疑応答の時間に、ライブドアBLOGOS編集部の田野幸伸氏による「ライブドアの株主だった方、またニッポン放送の社員が多数フジテレビに移籍になった方と、良くも悪くも大きく人生が変わった方々がたくさんいたと思う。そのような方々に一言お願いしたい」という質問に対して、「ライブドアの株主だった方々は本当に申し訳ないことをしたと思う」と述べている。

 上杉氏は、このような報道について「『堀江氏が未だに検察批判をして謝って反省していない』というニュースをつくりたいんですよね」と指摘した上で、

「報道は自由だけど、嘘はいけない。『堀江のことが嫌いだから、あいつは心から謝っていないと思う』と自分で言うのならいいが、事実として違うことを流すのはフェアじゃない」

 と語った。

 これを受けて、同じくイベントに出演していた元朝日新聞記者でフリージャーナリストの烏賀陽弘道氏は、マスメディアの体質について、

「『俺たちがいうと何でも事実になっていく』という思考から抜けられていない。今ではメインストリームメディアが何を報じていないのかを(ネットで)全部明らかにされている。それが還元されていない。優先事項として視野に入れなくていいと思っている」

 と考察した。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]上杉氏、日テレ解説委員・粕谷氏批判から視聴 - 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv47450501?ref=news#54:46
・[ニコニコ生放送]堀江氏、会見での謝罪から視聴 - 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv47840618?ref=news#37:40

ふじいりょう

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