原子力安全・保安院は2011年4月12日昼頃に行った会見で、福島第1原発の事故について、国際評価尺度に基づく評価を「レベル7」に引き上げると発表した。会見ではニコニコ動画の七尾功記者から、「レベル5から一気にレベル7というのは段階的ではない。レベル6相当の時があったのではないか」と問われると、原子力安全・保安院の西山審議官は、「これまでデータのはっきりしない部分については『責任が持てない』ということで、はっきりしている部分について言えることを国際社会にも発信するという方針できた。今回はっきりした時にはデータがレベル7を示しているといたので、躊躇せず『7』とした」と答えた。
同会見での七尾記者と原子力安全・保安院の西山審議官、広瀬内閣参与とのやりとりは以下の通り。
七尾記者:
これまで西山審議官には2回ほどレベルに関する暫定評価の見直しをしないのかと質問をした。こちらの質問した前後かどうかはわからないが、一気に「レベル5」から「レベル7」というのは段階的ではないと思う。「レベル6」相当の時があったのではないか。
原子力安全・保安院 西山審議官(以下、西山氏):
前から説明申し上げている通り、これまでデータのはっきりしない部分については「責任が持てない」ということで、はっきりしている部分について言えることを国際社会にも発信するという方針で、今回はっきりしたときにはデータが7を示しているということでしたので躊躇せず7としたということ。
七尾記者:
ともかく作業が遅すぎると思うのだが、福島の方々や国民、国際社会に対して、これをどう答えるのか。
西山氏:
やはりデータの制約がありますので、ある程度、我々が責任を持って判断できる状態にしてからでないと正確な発信ができない。そこは安全を担当する者として、なんとしても確保しなければならないところだと思っている。
七尾記者:
昨日(4月11日)発表になった「計画的避難区域」と(『レベル7』引き上げの発表)は、言葉は良くないが「パッケージ」であると考えてよいのか。
広瀬研吉内閣府参与(以下、広瀬氏) :
基本的には、別のものだと考えてもらえれば。
七尾記者:
これ(『レベル7』への引き上げ)によって「計画的避難区域」のさらなる見直し等に波及する可能性はあるか。
広瀬氏:
現段階ではない。
また、同じ会見の後半には以下のやりとりがなされた。
七尾記者:
今回のレベルがマックスなので、今後の状況をどう把握しけばいいかという不安感がある。今後国民に対し、「レベル7」の変化を補完するものさしについて、どうする考えか。
西山氏:
モニタリングのデータは、今後強化することも含めて、しっかり(数値を)とった上で国民にすべて公表するので、それを見れば十分わかると思う。
七尾記者:
(会見で配布された)資料にある「チェルノブイリ事故の1割程度です」というのは、ある意味わかりやすい。こういった「ものさし」という意味なのだが。
西山氏:
我々の認識としては、現在までのあいだに放射性物質は相当程度、出るものは出てしまっていると考えているので、これから大きく量が増えることはないと思っている。そういうことをわかっていただくためには、モニタリングの数値が落ち着いてくることが何よりだと思うので、原子炉をしっかり冷やす努力をしながら、モニタリングの状況を国民にしっかり公表していくということではないかと思う。
広瀬氏:
原子力安全委員会の見解も基本的には同じ。環境モニタリングのデータをしっかりとって評価し、示しするということで、ここにおります代谷原子力安全委員が毎日その結果を説明しているところで、今後ともこの努力を続けていく。
【4/12・11:20開始】経済産業省より原子力安全保安院・原子力安全委員会による合同記者会見【再放送】
「ニコニコ動画の七尾功記者の質問(前半)」部分より再生
http://live.nicovideo.jp/watch/lv46383993#0:21:25
(番組はタイムシフト機能でいつでも視聴できる)
「ニコニコ動画の七尾功記者の質問(後半)」部分より再生
http://live.nicovideo.jp/watch/lv46383993#0:54:55
(番組はタイムシフト機能でいつでも視聴できる)
(萩原和晃)
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