ソフトバンクグループの代表として有名な孫正義社長が、東日本大震災に関して確証のない発言が飛び交っていることに苦言しています。「大丈夫」、「問題なし」、「危険だ」などの言葉を安易に使うべきではないと考えているようです。

孫社長総務省が発表した『東日本大震災に係るインターネット上の流言飛語への適切な対応』という政府要請を引き合いに出しつつ、インターネット上で「充分な確証無しに「直ちには健康被害無し」も「危険だ」も、どちらも流言飛語になり得る。大丈夫と言われて被曝して「申し訳ありませんでした」と言われても取り返しがつかない」とコメントしています。

これは、「直ちには健康被害無し」といった発言を繰り返している政府をも批判している発言と言えます。確かに、安心感を与えるために根拠もなく「直ちには健康被害無し」と言うのは問題だし、根拠もなく「危険だ」と煽るのも問題です。そんな状態が続けば、誰の発言を信じればいいのかわからなくなってしまいます。「もし間違った情報を信じてしまったら……」と思うと恐ろしいですよね。

ちなみに、総務省の『東日本大震災に係るインターネット上の流言飛語への適切な対応』は「言論統制なのではないか?」と物議をかもしました。正しい情報を知りたいと強く願うものの、完全な正しさを追求すれば情報が出にくくなるおそれもあり、そのバランスが難しいところです。ともあれ、政府も個人も、どの程度信頼できる情報なのかも提示しつつ、できるだけ確証の持てる情報を発信するように心がけてほしいものですね。

画像: Twitter