「近頃の若者はつながりを持ちたがらない」「他人に無関心だ」「草食系」――昨今、若者のコミュニケーション能力"不足"が批判されることが多いようだ。しかし、若者の人間関係について研究する博報堂マーケティングアナリストの原田曜平氏は、こうした言説に対して疑問を呈する。
「最近の若者はコミュニケーション能力に欠けるどころか、むしろつながりの強い『村社会』を形成している」
原田氏は2011年3月8日、出演したニコニコ動画の生放送番組「ニコ生トークセッション」においてこう述べた。
原田氏は最近の若者たちはメールやmixiなどSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を活用しているため、「人間関係が途切れることなく続いていく」と指摘。そのため、お互いの関係を良好に保たなければならず、「空気を読む」という高度なコミュニケーション能力が要求されているという。原田氏が「"新"村社会」と表現する、このような人間関係の新しいかたち。原田氏は「過剰に空気を読み過ぎてしまうのは生きづらい」としながらも、「空気を読む能力を持つ若者は、『ダメ』ではなく、その時代に最も適応している人だ」と分析した。
(山下真史)
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