「宇宙飛行士が1日で浴びる放射線の量は通常の人の4~6か月分、しかし発ガンリスクは最大3%上がる程度」――宇宙航空研究開発機構(JAXA)の古川聡宇宙飛行士は2011年3月22日、記者会見に登場し、放射線を浴びるリスクについてこのように述べた。
古川氏は今年5月末にロシアの宇宙船「ソユーズ」に搭乗し、国際宇宙ステーションで約半年間滞在する。通常、人が生活していて浴びる放射線の量は1年に2~3ミリシーベルトといわれるが、古川氏によると国際宇宙ステーション(ISS)では1日で1ミリシーベルトの放射線を浴びるという。古川氏のようにISSに6ヶ月程度滞在する場合、それだけで約180ミリシーベルトの放射線を浴びることになる。
NASAでは宇宙飛行士が浴びる放射線の量を、最初に宇宙に行った年齢や性別によって厳しく管理するルールがあるという。宇宙で浴びる放射線量の多さについて古川氏は、「3年の間を空けて2回、それぞれ半年ずつ宇宙に行った場合であっても、発ガンリスクは多くて3%上がる程度」とし、これは許容できる範囲のリスクだと話した。
【JAXA主催】古川宇宙飛行士ISS記者会見
http://live.nicovideo.jp/watch/lv43520543
(番組はタイムシフト機能で2011年3月29日まで視聴できる)
(永井美智子)
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