事故で娘を亡くした直後から、家の中で娘の存在を感じるようになったという米国のある男性が、技術者としての知識を活かした装置を開発・販売している。この装置は死者の存在を検知するもので、声の録音もできるという。

米放送局FOXや米紙ハートフォードクーランなどによると、装置を開発したのはコネチカット州グランビーに住む57歳の男性、ゲイリーガルカさん。今から8年前の2004年、当時17歳で高校生だった娘のメリッサさんは、自動車を運転中に木に衝突してしまい、還らぬ人となった。深い悲しみに包まれたガルカさん一家だったが、彼女が亡くなって数日後から、家では立て続けに不思議な現象が起き始めた。

その現象は「ドアのチャイムが鳴ったのに、外へ出ると誰もいない」「テレビのチャンネルが勝手に変わる」「部屋の電気が付いたり消えたりを繰り返す」などなど。ゲイリーさんはほかにも「彼女が私の部屋に入って来て、ベッドの端に座ったように感じた」経験もあるそうだが、妻シンディさんや娘2人は、より一層メリッサさんの存在を感じる出来事を体験していた。3人は「彼女の声を聞いた」と主張し、娘のヘザーさんに至っては「3回彼女を見た」という。こうしてメリッサさんが家に来ていると確信した父は、「医学用品や宇宙関連の製品を生産する会社」の技術者としての知識を活かして、彼女の存在を感じ取るための装置を開発した。

「Mel-8704-SB7-EMF meter」と呼ばれる装置を使うと、周辺の電磁波や温度に変化がある場所などを捉え、霊の存在を確かめられるそう。また、霊が発する声を捉えて録音する機能も搭載されていて、現在349.90ドル(約2万8,000円)でゲイリーさんの会社から販売中だ。ほかにも性能を変えながら「30以上の製品を作った」という彼は、米国の心霊現象を調査するテレビ番組にも家族と出演。この装置が録音したとされるメリッサさんの声も紹介している。

YouTubeにも公開されている、出演した番組の動画「Ghost Adventures S06E06 The Gary Galka's Family House FULL EPISODE」(http://www.youtube.com/watch?v=F3MCPeyWv8Q)を見ると、14分前後でゲイリーさんが録音した声を披露。ノイズの中で、メリッサさんとされる女性の声で「ハロー、ダディ、ラブユー」と話しているのがはっきり聞こえるはずだ。また40分過ぎには、カメラの前でゲイリーさんがメリッサさんに部屋で呼び掛けると、彼の装置から「ハイ、ダッド」などと実際に声が聞こえてくるシーンもある。

「誰も私たちのような人のための製品を作っていなかった」として、超常現象を捉える装置の開発に踏み切ったと話すゲイリーさん。もちろん、携帯電話やテレビカメラ、電波塔や太陽活動といった多くの影響で電磁波の乱れが起きると指摘し、装置に懐疑的な見方をする専門家も少なくない。それでも彼はそうした意見も理解した上で、肉親を亡くして悲しむ人に役立って欲しいと希望を話している。

ゲイリーさんが開発したさまざまな装置はこれまでに「数千台売れた」そうで、亡くなった人との繋がりを求めて購入する人が少なくないという。また、売り上げの3分の1は、ゲイリーさん一家のように子どもを亡くした家族を援助する団体に寄付しているそうで、同じ立場の人たちを少しでも助けたいと思う彼の気持ちがここにも表れている。本当に彼の装置で死者の声を聞けるのか、信じるか信じないかは人それぞれ。まずは、動画を見て確かめて欲しい。