ニコニコ生放送で配信を始めたい人の「ニコニコ生放送入門」。第三回では、ネットラジオゲーム実況向けのデスクトップキャプチャーを使った画像やゲーム画面の放送方法について解説してきた。だが、生放送に画像やゲーム画面を表示しただけでは生放送にはならない。当然、音声を放送するためのマイクが必要となる。

 今回は、ゲーム実況ネットラジオだけでなく、Webカメラでの放送にも効く、パソコン用の外付けマイクを使った音声の放送について解説する。


■ なんで外付けマイクが必要なの?

 近年のパソコンにはマイクを内蔵しているものも多く、外付けマイク無しでもニコニコ生放送を始めることはできる。だが、パソコンの内蔵マイクは音質があまり良くなかったり、キーボードの音が響きやすいなど不便なものが多い。

 そこで活躍するのが、パソコン用の外付けマイクだ。これがあれば、パソコンの前で喋る雑談放送やネットラジオでも、安定した音量や音質で放送しやすくなる。価格も900円から5,000円あたりとお手頃だ。

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 店頭では様々な形状のマイクが販売されているが、まずはピンク色マイク端子(ステレオミニプラグ)とUSB端子、どちらの製品を購入するのか決めておこう。

 低価格かつ、いずれSkype凸待ち放送をしたいと考えているならピンク色マイク端子(ステレオミニプラグ)向けの製品がお勧めだ。パソコンの音量設定を簡単に行いたいなら、やや高額だがUSB端子の製品を購入しても良い。

 とりあえずニコニコ生放送を始めるだけなら、低価格なマイク端子の製品で十分だろう。マイク端子とUSB端子の両方に対応したものを購入するのも手だ。


■オーソドックスな「スタンドマイク」&「クリップマイク

 ニコニコ生放送、特にユーザー生放送で一番見かけるマイクといえば、スタンドタイプの小型マイクではないだろうか。安いものでは900円前後からある。机の上にスペースがあり、マイクを口元へ近づけられる環境ならお勧めだ。製品の種類については、よほど評判の悪いものでない限り、マイクON/OFFスイッチの有無やデザインで決めていい。

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 クリップマイクは、胸元にマイクを付けるタイプ。頭や体を動かしても、安定した音量で放送できるのが特長だ。動いても音が出ない服装で使おう。こちらも900円前後から様々な製品がある。

 その中でも、ソニーの「ECM-PC50」は3,000円前後とやや高めだが、小型で品質の高いクリップマイクとして人気だ。ただし、この製品はLenovo製のThinkpadなど、一部のパソコンでは動作しないことがある。その場合は、次回紹介するクリエイティブ製のSound Blaster X-Fi Go! Proといった、オーディオインターフェースを間に挟まなければならない。

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ヘッドホンマイクが一体化した「ヘッドセットマイク

 ヘッドセットマイクとは、ヘッドホンマイクが一体化したモデルのことだ。マイクの位置を気にせずに長時間楽な姿勢で放送できるうえ、音量も一定に保たれる。ヘッドホンからパソコンからの音も聴けるなど、実況やネットラジオなどトーク中心の放送に最適なアイテムだ。

 製品は1,000円前後のものからあるが、低価格なものは付け心地の悪さや、ヘッドホン部分に少し触れただけでタッチノイズが大きく録音されるなど、長時間の利用に向かないものが多い。また、音量調整を行うコントローラー部分の使い勝手にも注意しよう。

 価格は3,000円前後とやや高めだが、プラントロニクスの「.Audio 326」「.Audio 355」やゼンハイザーコミュニケーションズの「PC131」など、ヘッドセット専門メーカーの製品がお勧めだ。


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■ 製品によってはおトクで高性能?「Webカメラ」内蔵マイク

 連載の第一回で紹介したように、Webカメラにはマイクが内蔵されている。多くの場合、この内蔵マイクだけで問題ない。カメラの映像を出したくないときは、Webカメラの内蔵マイクだけを使うといった器用なこともできる。だが、放送によってはWebカメラ内蔵マイクより、外付けマイクを使った方がよりよい結果を得られることもある。

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  Webカメラの内蔵マイクは高感度タイプで、人の声が大きくハッキリと収録されるものが多い。室内で複数人がしゃべる放送や、パソコンからやや離れた場所でのしゃべり声や部屋全体の会話、作業音を流したい放送に向いている。だが、パソコンの前に座って一人だけでしゃべる場合は、口元とマイクが遠いこともあり、部屋の中の音や外の騒音まで録音されてしまいやすいのが難点だ。

 このため、Webカメラには内蔵マイクだけでなく、先ほど紹介したマイク端子に接続するヘッドセットマイクを同梱したものが多い。ヘッドセットマイクなら、マイクが口元にくるためしゃべり声だけを録音しやすい。価格も高くないので、Webカメラマイクのどちらも欲しい人にはおトクなセットだ。

 たとえば、この連載の第一回と第二回で紹介したロジクール製の低価格WebカメラC270にも、「C270m」という、口元にマイクを垂らすタイプのヘッドセットマイクとのセットモデルが用意されている。見た目より実用性は高く、実売価格も2,500円前後とマイク無しと比べておトクだ。

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■外付けマイクの音量を調節しよう

 実際にマイクを取り付けたら、まずマイクの音量を調節しよう。Windows 7Vistaの場合、「スタートメニュー→コントロールメニュー→ハードウェアとサウンド→オーディオデバイスの管理→録音タブ」から設定できる。マイクの音量が上がらない場合は、マイクブースト設定を利用する。

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 なお、音量設定などの詳しい設定方法については、書籍「ニコニコ生放送ポケットガイド」(毎日コミュニケーションズ 価格1,344円)の「Chapter 6 パソコン用マイクの使い方とSkype通話放送」でも紹介している。


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■ 次回予告 - 「Sound Blaster X-Fi Go! Pro」でSkype凸待ち放送や高音質化しよう
 次回、第五回ではSkype凸待ち放送や、マイク高音質化で定番のオーディオインターフェース「Sound Blaster X-Fi Go! Pro」について紹介する。

島徹
 


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