とどまることを知らない自撮りブーム。米国では、最近ある被写体と一緒に撮る流行が生まれ、その危険性に米国森林局が警告を発するほどの事態となった。

その被写体とは“クマ”。世界屈指の深さと透明度を誇るタホ湖はサンフランシスコなどからも日帰り圏内であるため、多くの観光客が訪れる観光名所だが、数か月前からクマと一緒に撮る写真がSNSなどで公開される事例が増えてきている。

複数の米メディアによると、10月に入りヒメマスが産卵のため湖岸に近づき、そのヒメマスを狙ってクマが湖に近づき、クマと写真を撮りたいという人間がクマに近づく…といった傾向が増えてきており、米国森林局が警告を発するようになった。

タホ湖流域管理者のスポークスパーソン、リサ・ヘレンさんは「クマは積極的に人間を襲うといったようなことはしませんが、思っている以上に素早く、近距離であることは非常に危険です。まして背中を向けて、写真を撮るというのは可能性を増大させるだけです。クマがその気になれば、事故は容易に起こりえます」と語る。

また車での移動中、クマを見つけて写真を撮ろうと道路に車を止めることで引き起こされる問題についても懸念も述べ、「クマが人を襲えばその対応をしなければならず、結果として公共の安全のために立ち入り禁止とにしなければならなくなる」と訪問客への理解と警告を訴えた。

現在タホ湖だけでなく全米にこの“クマと自撮り”ブームは広がっているとされ、この傾向に対してネットの反応は「アホすぎる」「クマを応援する。こんな事でクマが殺されるようなことはあってはならない」「人はなぜこうも愚かなのか。ダーウィン賞(愚かさに対して贈られる皮肉的な賞)ものだ」と批難が寄せられているようだ。