1201_wikileaks.jpg海外の内部告発サイト「ウィキリークス」が米国政府の外交公電を暴露したことについて、前原誠司外相は2010年11月30日の記者会見で、「言語道断の犯罪行為」とをウィキリークスを強く批判した。

ウィキリークスの質問が出たのは会見の後半。ニコニコ動画の七尾記者が視聴者の質問を代読する形で「クリントン国務長官は強く非難し、情報をリークした関係者の責任を追及していく構えだが、ウィキリークスに代表される内部告発サイトの存在について大臣の所見をうかがいたい」とたずねた。「ウィキリークス」という単語を聞いた瞬間、それまで笑顔だった前原外相の表情は一変。顔をこわばらせて「勝手に他人の情報を盗みとって公開するのは言語道断の犯罪行為。未公開の機密文書の公開を判断するのは政府であり、それを公表することに評価を与える余地はない」と激しい調子で非難した。

この質問をきっかけに、各新聞社の記者から質問が相次いだ。毎日新聞の西岡記者が「日本の外務省の現職幹部の名前が挙げられた文書もあるが、事実関係の調査をするか」と聞くと、「コメントも事実関係の調査もしない」と前原外相は回答。「米政府への説明や対応を求めることがあるか」(読売新聞・穴井記者)との質問には、「外交ルートを通じて事前の説明があった。(対応を求めることは)していない」と答えた。

会見の終了直前にはフリーランスの上出記者が「(ウィキリークスの内容を)報道したマスメディアも含めて批判をしているのか」と質問。前原外相は「勝手に人の秘密を盗み取るということは言語道断であるが、『こういったものがある』『出ている』ということを報道することを妨げることはできない」と説明した。


前原誠司 外務大臣記者会見@​外務省 生放送
該当質問部分からのタイムシフト再生
http://live.nicovideo.jp/watch/lv33528363#43:44
(番組はタイムシフト機能で2010年12月7日まで視聴できる)


この発言に対する各メディアの報道
ウィキリークス:米外交公電の暴露、前原外相「犯罪行為」(毎日)
前原外相、ウィキリークス「言語道断」と強く非難(産経)
暴露公電に日本関連情報も...外相「犯罪行為だ」(読売)
ウィキリークス暴露「盗んで公開、言語道断」 前原外相(朝日)

(丹羽一臣)